春といえば桜の季節ですよね。桜の花は見る人の心を魅了します。
春の時期以外でも、桜を楽しみたい!という方におすすめなのが盆栽です。
盆栽は、家にいながら桜を育てて観賞することができます。
春の時期を待ったり、人で混みあう外に行かなくても自宅でいつでも桜が
みられる盆栽はぜひおすすめです。
今回は、桜の中でも、河津桜の盆栽育て方と育てるコツについて紹介したいと
思います。
河津桜の育て方と注意するポイント
河津桜は「バラ科」「サクラ属」の日本の桜の一種であり、オオシマザクラと
カンヒザクラの自然交配種と言われています。
学名は「Prunus lannesiana」といいます。
昭和30年頃、静岡県河津町の河津川沿いで発見した原木を庭先に植えたことを
きっかけとして広がり始めました。
各地に河津桜の名所がありますが、本州で最も早く咲き、発祥の地である
伊豆河津町にある桜並木や、三浦海岸のカ河津桜がやはり有名です。
カワヅザクラの開花時期は1月~2月で、梅が咲いている時期に満開を迎えます。
寒い時期に咲く花なので花の時期も長く、長いものでは3月くらいまで
花見を楽しめます。
一般的には、河津桜が満開になる前の6分~8分咲きの頃が一番の見ごろだと
いわれています。
それでは、河津桜の育て方を紹介します。
≪肥料≫
栄養分が多い肥料が入っている土を、鉢の中にたくさん入れます。
植えつけるときは、土にゆっくりと効果が出てくる、「緩効性化成肥料」と
「堆肥」を混ぜるといいですよ。
2~3月と、5~6月に、同じ肥料をかけましょう。
≪水かけ≫
夏暑い時期は、1日に2回、 春~秋では1日1回~2回、寒い時期は2~3日に一度
ぐらいが目安です。
土の表面が乾いたら、盆栽の下から水が出るくらい水をかけます。
桜は根からの吸収が早いので、水やりの回数は多くなります。
しかし、水のかけすぎは避けましょう。
≪置き場所≫
寒さや霜で、鉢が凍るような時は、軒下や窓から離れた場所に置くことを
おすすめします。
土の上に、腐葉土などをかけると霜よけになり、2〜3日くらいは、部屋の中に
移動して風通しがいい日が当たる場所に置きましょう。
≪植えつけたあと≫
植えつけたあとは、お日様の日差しがよく当たり、風が通る場所に植える
ことが大切です。
接木部分は、表に出したまま植えるといいですよ。
植えつけた一年目は、乾燥を防ぐために、たくさん水をかけましょう。
花が咲いたあとは、水切れに注意して、肥料は「有機性肥料」を年3~4回、
花がさいたあとは、5月~9月くらいにかけるといいですよ。
河津桜は、湿気や乾燥が苦手なので、土作りをしっかりすることで防ぐことが
できます。
河津桜を育てるうえでの注意点です。
直接日光が当たると、葉が焼ける原因になるので注意しましょう。
また、日陰で育てると枝が枯れて、枝がまっすぐ伸びずに、木の形が崩れて
しまい見た目の印象に影響が出てしまいます。
他にも、病気に注意が必要です。
≪天狗巣病≫
一部の枝がこぶのようにふくれて、ホウキのように細くて小さな枝がたくさん
生えます。
はえてきた小さな枝は、花は咲かないので注意が必要です。
冬の寒い時期になったら、何回か石灰硫黄合剤やダイセン、銅水和剤などを
かけましょう。
病気になった枝をみつけたら、枝のつけ根からハサミなどで、取り除きます。
切ったあとは癒合剤を忘れずに塗りましょう。
≪根頭がん腫病≫
地際付近にこぶ状の隆起物ができ、次第にこぶは大きくなり、やがて腐ります。
根にも同じようなこぶができます。
発病した株の生育は悪化し、枯れ死する場合もあります。
発病した株を抜いて処分をした場合、再び発生しないように株が植えて
あった付近の土を入れかえるか、土壌消毒をしましょう。
こぶを切り取り、ストレプトマイシン剤を切り口に塗りましょう。
≪害虫≫
アメリカシロヒトリは、6月、8月下旬~9月中旬に出ます。
枝咲きに糸を張り巣を作って、ケムシがたくさんくっついて住んでいます。
ケムシはたまに巣から出て、葉を食べます。
大人の虫は、白い蛾で夏の始めや夏暑い時期になると、葉に卵を産み落とします。
落ち葉の下をみて、冬を越そうとしているさなぎがいたら取り除きましょう。
毛虫が小さいうちに、1週間おきに2~3回、オルトラン、スミチオンなどを
まきましょう。
オビカレハは、4月~6月に出ます。
太い枝が別れた場所に、糸を出して巣を作り、灰青色に背にオレンジ色をした
幼虫が、葉っぱを食べます。
冬の寒い時期は、枝にリング状に産みつけたれた卵の塊があれば取り除きます。
幼虫が小さいうちに、スミチオンをまきましょう。
河津桜の盆栽の育て方・剪定のコツ
続いて、河津桜の盆栽の育て方・剪定のコツを紹介したいと思います。
≪盆栽を植えつける方法≫
①7~8号の鉢に桜の苗を植えつけます。
②植えつけをしたあとは、苗木をポットから取り出します。
③根の土を半分ほど落したあとは、はみだしている根をハサミで切りおとします。
④準備した土や肥料などを鉢の中に入れます。
⑤鉢穴に鉢底ネットを敷いたら、鉢底に赤玉の大粒か中粒や鉢底用の石を
2~3cm敷きましょう。
⑥そして、準備した用土を入れます。
植えつける肥料は、赤玉土小粒5:川砂3:腐葉土2の割合に混ぜた土を使います。
⑦割り箸や木の棒を使って、土をつつくと落ちつかせることができます。
2年に1回ほど植え替えをおすすめします。
花がら摘みも忘れず行いましょう。花が咲き終わったらこまめに摘み取る
ことをせずそのままにしておくと、 実を付ける準備を始めるので幹が弱ります。
花がら摘みをすることにより、次の花芽の付が良くなりますよ。
≪剪定のコツ≫
剪定をするのに一番いい時期は、12~3月中旬頃はです。
桜は剪定が苦手なので、頻繁に剪定することは避けましょう。
山に育っている木のように育てることが大切です。
地面の近くから生える、ひこばえや幹から出る枝が生えると、株が衰える
原因になるのでハサミで剪定することが大切です。
剪定した枝の表面から、菌が入らないように、切り口に、「癒合剤」を塗りましょう。
切り口から雨水や菌が入ってしまうと、河津桜が枯れてしまう原因になって
しまいます。
まとめ
桜が自宅で楽しめるのはとてもうれしいですよね。
正しい育て方や注意点を守って桜を育ててみましょう。
コツの部分でも紹介したように、桜は剪定を嫌います。
枝の形などが気になるかもしれませんが、極力剪定はせずに
桜の成長を見守ってあげてください。
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